Swiss Prec jaの歩み
1998年、愛媛県松山市の中心部にSwiss Prec jaは創業いたしました。創業者である山本修一は、スイスの時計学校で5年間の修業を積み、ジュネーブの老舗時計工房で研鑽を重ねた後、日本での時計修復文化の発展を志して帰国しました。
当初は小さな工房からのスタートでしたが、一つ一つの時計に真摯に向き合い、所有者の想いを大切にする姿勢が評判を呼び、四国全域から時計修復の依頼が寄せられるようになりました。創業から25年が経過した現在では、年間1,200本以上の時計修復を手がけ、日本各地からご依頼をいただくまでに成長いたしました。
私たちの使命は、機械式時計という精密な芸術品を次世代へと受け継ぐお手伝いをすることです。時計は単なる時間を刻む道具ではなく、所有者の人生の節目や大切な思い出と共に時を刻んできた、かけがえのない存在です。その価値を理解し、技術的な修復だけでなく、所有者との信頼関係を築くことを何よりも大切にしています。
工房では最新の計測機器と伝統的な工具を使い分け、それぞれの時計に最適な修復方法を選択します。部品の調達においては、可能な限り純正部品を使用し、やむを得ず代替部品を使用する場合も、機能と美観の両面で妥協のない品質を追求しています。
品質基準と修復プロトコル
精密診断手順
お預かりした時計は、専用の計測機器を使用して詳細な診断を実施します。振動数の測定、振幅の確認、姿勢差の検証を行い、ムーブメントの状態を数値化して記録します。この診断データは修復作業の基礎となり、作業完了後の比較資料としても活用されます。
分解修復工程
ムーブメントは完全に分解し、各部品を専用の洗浄液で丁寧に洗浄します。摩耗した部品の交換判断は厳格な基準に基づいて行い、必要に応じて所有者に詳細な説明を行います。組み立て時には適切な注油を施し、各部品の動作を確認しながら慎重に作業を進めます。
調整と精度管理
組み立て後は、複数の姿勢での精度調整を実施します。文字盤上、文字盤下、リューズ上、リューズ下、リューズ左の5姿勢で測定を行い、日差が許容範囲内に収まるよう微調整を繰り返します。クロノグラフ機能を持つ時計については、開始・停止・リセットの動作を50回以上テストし、確実性を確認します。
品質検査体制
修復完了後は72時間の動作テストを実施し、パワーリザーブの持続時間、精度の安定性、各機能の正常動作を確認します。防水性能が必要な時計については、専用のテスターで気密性を検証します。全ての検査データは記録され、お客様にお渡しする修復報告書に記載されます。
専門技術と価値観
技術継承への取り組み
機械式時計の修復技術は、長年の経験と訓練によって習得される職人技です。当工房では若手技術者の育成にも力を入れており、ベテラン技術者による指導の下、伝統的な技法を次世代へと継承しています。定期的に海外の時計学校や工房との技術交流も行い、最新の修復技術の習得にも努めています。
環境への配慮
時計修復に使用する洗浄液や潤滑油は、環境への影響を考慮した製品を選定しています。使用済みの洗浄液は適切な処理業者に委託し、環境汚染の防止に努めています。また、修復を通じて時計の寿命を延ばすことは、新たな製造による環境負荷を減らすことにもつながると考えています。
透明性のある対応
修復作業の過程や費用について、お客様に対して常に透明性を保つことを心がけています。見積もり時には作業内容を詳しく説明し、追加の修復が必要になった場合は必ず事前にご連絡し、承認を得てから作業を進めます。修復完了時には、実施した作業内容と交換した部品の詳細を記載した報告書をお渡しします。
長期的なサポート
時計は定期的なメンテナンスによって良好な状態を維持できます。修復後も適切な使用方法やメンテナンス時期についてアドバイスを提供し、長期的にお客様の時計をサポートします。修復から3年、5年の節目にメンテナンスのご案内をお送りし、最適な状態を保つお手伝いをしています。